ブランディングって誰がやるの?コピーライター視点で語る“ブランドの作り方”


ブランディングって、いったい誰がやるものなの?
そんな疑問を持ったことはありませんか?
広告代理店? ブランドコンサル? デザイナー?
それとも、コピーライター?
じつは、わたし自身もずっと不思議に思っていたんです。
というわけで今回は、ブランディングの“指揮をとる人”について、
これまでの時代背景や変化もまじえて、
コピーライターの立場からお話ししてみようと思います。

昔のブランディングは“広告頼み”だった!
かつて、ブランディング=広告という時代がありました。
「新聞にドーン!」「テレビCMでバーン!」みたいな、
とにかく“目立たせて認知をとる”という戦略です。

お金もだいぶ使ったでしょうね。
バブルの頃はよかったかもしれませんが、
バブルが弾けると、ずいぶんとトーンダウンしてきました。
わたし、バブルは知りませんが、
広告代理店やディレクターの指示のもと
「目立つ」「派手な」広告を作るように指示されていました。
でも…ずっと心のなかにあったんです。
「これって、本当に“ブランディング”って言えるのかな?」って。
今どきは「デザインで魅せる」が主流?
最近は、見た目の統一感や世界観を重視する企業が増え、
デザイン会社や制作会社が中心となってブランディングを進めるケースも増えました。
たとえば、レモン農家が「うちはこういうこだわりがあるんです」と差別化したい場合、
パッケージやパンフレット、ECサイトを洗練させて、“ブランドっぽく”見せていきます。
見た目は整ったとしても、それって“本質”を捉えてるの?
と疑問が残ることもあります。

ブランドの“核”に向き合うってこういうこと!
いま、わたしがいちばん共感しているのが
ブランドプロデューサー柴田陽子さんの手法です。
すべての接点(デザイン、接客、内装、言葉づかい…)を棚卸しし、
コンセプトとズレていないかを確認・調整していくというもの。
「CMにお金をかけるより、お店を改装した方がいい」
「ロゴを変えるより、メニューを開発した方が伝わる」
そんな風に、“見せ方”より“中身”にメスを入れていくんです。
それによってコンセプトが明確になり
一貫性を保ったブランディングが可能になります。

コピーライターの出番は、目立つコピーだけじゃない
コピーライターの役割は、
キャッチコピーやネーミングだけじゃありません。
マーケティングリサーチやターゲット設計、
ヒアリングを通して見えてくる本音や価値観を丁寧に言葉にする。
いわば、コンセプトの“核”をつくる役目です。

「なぜそのサービスを届けたいのか?」
「お客さまは、どこに心を動かされるのか?」
言葉を使って、ブランドの“らしさ”を言語化するのが
コピーライターの強み。
一見、目立たないけれど、
すべての土台になる、とても大事なフェーズだと思っています。
ここを読めばわかる! 参照:コンセプト開発
まとめ:誰がやるか、じゃなく“どこまでやるか”
ブランディングは、肩書きや職種によって決まるものではありません。
広告代理店でも、デザイナーでも、コピーライターでも、
“本質を見て、必要な施策を考える”ことができる人が、主導するべきです。
そしてその過程では、
「ことばで整理し、可視化する」コピーライターの視点が、
やっぱり必要とされている——そう信じています。